建築の眼 JAZZの耳 ; tetsuyakimura_weblog

木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

難波心斎橋 ぶらり散歩

毎年夏の大阪市立大学上方文化講座でお世話になっています竹本津駒太夫さんがこの度めでたく六代目竹本錣太夫を襲名され、その襲名披露狂言となる初春文楽公演を楽しみに国立文楽劇場にいそいそと出掛けてまいりました。
ロビーでは錣太夫さんも観客を出迎え交歓の席を設けられており、真面目で朴訥なお人柄に触れることが出来ました。

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新春公演恒例の睨み鯛

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幕も引けて難波~心斎橋までぶらりと散歩。
難波の旧新歌舞伎座・・・ずっと長らく閉鎖された状態でしたのが昨年暮れに改修されてホテルとなってオープン、隈研吾さんの設計。村野藤吾さんの唐破風が連なるファサードはそのまま残して上部にはルーバーを巡らした高層の現代建築、そしてその頂部にはそのルーバーでかたどった破風状のデザイン、村野デザインへのオマージュでしょうか?
一目見た際に あれ?ないっ! と思ってしまったのがあの辻晋堂の鬼瓦・・・あれがあってこその新歌舞伎座の屋根でしたのに・・・。
鬼瓦は取り外されて1階駐車場の奥に据えられていました。
建物内部は用途も変わっていますので、まったくの新しい建築で村野外観は微塵も感じさせません。少々殺風景な印象でした。
それにしても奥行の浅い建物ゆえ仕方がないのでしょうけれど、高層階が目いっぱい唐破風+大屋根の上に載っかっていていささか可哀想、しかも鬼瓦を据えるスペースもなくギリギリでいささか窮屈。外観保全の建物というのはこうならざるを得ないのでしょうか・・・

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頭がいささか窮屈で可哀想   堂々たる大屋根も薄く張り付いたイメージになってしまって・・・

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大屋根の上で睨みをきかせていたのも過去の栄光? 今やすっかり日陰者(!)の悲哀を感じさせます

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そこから北へ向かい昨秋建替えオープンの心斎橋大丸(設計・施工 竹中工務店)へ。
同じようにヴォーリズの外観を残しつつ上層部が加えられていますが、セットバックして設けられその意匠もヴォーリズにちなんだアラベスク模様の繊細でごく控えめなものでさほど気になりません。
メインエントランスもそっくり復元され、御堂筋側の外観は従前のヴォーリズ設計の建物のイメージがかなり丁寧に継承されているように感じます。一方心斎橋側は孔雀のテラコッタこそは復元されていますもののすっかり新調でした。
内部に足を踏み入れてみますと、1階では特徴的な天井周りやエレベーターホールなど建て替え前の意匠がそっくり再現されていて、一瞬あれれ?と思ってしまいます。じっくりとよく見てみると、なるほど・・・柱間の寸法が変わったのを実にうまいこと処理してあって、間違い探しの難問クイズの如しです。設計では随分とご苦労があったことでしょうね。

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御堂筋側の外観

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孔雀のテラコッタも従前の丸い庇はなくなり、にぎやかな心斎橋では平滑で少々おとなしい印象でしょうか・・・

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側面はヴォーリズのモチーフを用いつつ現代的なデザイン

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大丸心斎橋店のすぐ南側ではヴィトンの建物も工事中(設計 青木淳)でした。
久しぶりに難波心斎橋界隈を歩いてもうあちこちきょろきょろしてばかり・・・

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  1. 2020/01/28(火) 19:51:18

2020年が明けました

2020年が明けました

大阪箕面では東の空に雲がありましたものの幸い初日の出を拝むことが出来ました

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今年の賀状です

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朝日を浴びる大観荘の渡り廊下です

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別デザインも朝日の大観の間とその庭です

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文面欄です

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます


  1. 2020/01/01(水) 11:27:12

2019年を振りかえって

令和の幕が明けました2019年も間もなく閉じようとしています。
今年を振り返ってまず思い出されることは

1月に訪れた熱海の 「大観荘」
7月に観た 「塩田千春展」
9月に聴いた 「酒井 茜&マルタ・アルゲリッチ ピアノ・デュオ・リサイタル」

です。

大観荘は見所がありすぎてのんびり温泉につかる暇がなかった・・・のが残念!どこに目を向けても材料やその取合いに一癖二癖あり、目が離せませんでした。いわゆる建築家の空間性云々・・・ではなく、純粋にモノと手ワザによる歓びに満ち溢れていました。
塩田千春展ではもう会場に足を踏み入れた途端に理屈を超えて瞬時に精神が別世界に持っていかれる、まさにホンモノの芸術のみが持ちうる圧倒的な力を感じる体験でした。
酒井 茜&マルタ・アルゲリッチ ピアノ・デュオ・リサイタルではお二人の緊密で刺激に満ちたピアノの応酬に酔いしれました。
いずれもその時々に記事に記しましたが、今思い返してもその時の感情が生々しくよみがえります。

2019taikanso.jpg2019塩田千春展2019酒井茜_アルゲリッチ
大観荘塩田千春展酒井 茜&マルタ・アルゲリッチ
ピアノ・デュオ・リサイタル


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建築も折を見ていろいろと尋ねることが出来ました。
残念ながら年々と姿を消しつつあります村野藤吾さんの建築、今年も何件か訪れましたがいずれも味わい深く艶があります。
ルーテル神学校の群としての造形やチャペルの天井、志摩観光ホテルの木組みや障子の意匠そして階段、旧大庄村役場の塔屋天井裏のレリーフ、尼崎市役所の窓回りや議場棟の壁面構成など、宝ヶ池プリンスホテルも含め幅広い建設年代のいずれの時期を見ても自由な意匠への尽きせぬこだわりに驚かされます。
尼崎市役所見学のほんの数日後にはガソリン放火騒ぎがあり、京アニの惨事や数年前やはり村野さん設計の宝塚市役所放火事件が思い起こされましたが、大事には至らず安堵しました。

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旧大庄村役場 (1938) 塔屋

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塔屋天井裏

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尼崎市役所 (1962) 低層棟

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尼崎市役所議場棟

それ以外では
大学セミナーハウス、所沢聖地霊園、神奈川県立音楽堂、京都国際会館、群馬県立美術館などが印象に残りますがいずれも築数十年を経た昭和の名建築、ノスタルジーなどではなくやはりこの時代の建築には確かなリアリティを感じます。
そして長年の懸案、ようやく群馬高崎のレーモンド:井上房之介邸と群馬音楽センターを訪れることもできました。素朴な中に真実がこもる空間でした。レーモンドでは銀座の教文館ビルにもチラリとだけ立ち寄りました。

年末に訪れました倉敷での浦辺鎮太郎建築展 「建築家・浦辺鎮太郎の仕事 倉敷から世界へ、工芸からまちづくりへ」、倉敷アイビースクエア内の古い工場を改装した展示会場で見る図面と模型の数々、一歩外に出れば周りに点在する実物の建築とセットとなってまるまる一日見入ってまいりました。京都大学建築学科卒の建築家として学生時代からその名は身近でしたが、若い時分にはその魅力はまったく咀嚼できず素通りしてまいりました。この歳になり改めて見ますと気づかされることが多くあります。大原美術館分館の倉敷の伝統を現代的に再構成した造形は今の眼で見ても斬新で、特に敷地外南側の細い路地の景観は素晴らしく、また、倉敷国際ホテルのコンクリートを用いた繰り返しの外観は、機能と伝統と現代とを見事に融合させて、今更ながら感じ入りました。ホテル内部フロント周りはコンパクトながら心温まる造形で、吹き抜けを飾る棟方志功の大板壁画もさることながらその脇の階段の撫でまわしたくなる手摺壁やフロント前の天井やエレベーター周りのモザイクタイルの意匠など手の痕跡の残る幸せな時代の建築でした。

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浦辺鎮太郎建築展会場風景

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大原美術館分館 (1961)

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倉敷国際ホテル (1963)

もちろん現代の優れた建築 多摩美術大学図書館、武蔵野美術大学図書館、近畿大学アカデミックシアター、神奈川工科大学KAIT工房、狭山湖畔霊園などでは新しい建築の成り立ち方に興奮し新鮮な空間感覚を呼び覚まされました。大阪芸術大学アートサイエンス学科棟では、内外の空間の視覚的なつながり方がとても斬新でした。設計時にあたって大学からは機能的な要求が一切なく、それに応えて特化した機能のない空っぽの空間と造形のみを提示した設計者、それを具体化する最新の技術など、単純で複雑な(?)造形に潜む様々な応酬や、まだまだ使い方を模索中です、という大学側のお話しなどはとても興味深いものでした。すぐ横に建つ塚本記念館との建築の造られ方と時代性の差異が際立ち、それぞれの魅力が立ちのぼっています。

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大阪芸術大学アートサイエンス学科棟 (妹島和世 2018)

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大阪芸術大学アートサイエンス学科棟内観

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大阪芸術大学塚本記念館 (高橋てい一 1981)

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お陰さまで今年も多くの舞台や演奏会に触れることが出来ました。
「罪と罰」 は印象深い舞台でした。あの長大な物語りを転換のないセットの上で見事に組み立て、雑然とした雰囲気と様々な登場人物とが入り交じり、繰り広げられる生の演奏もあいまって、まさに演劇ならではの時空間が生み出されていました。
「キネマと恋人」 は2016年の初演も楽しく見ましたが、今年の再演ではその時以上に物語りに引き込まれて見入ってしまいました。こんなに幸せな心地で劇場を後にできるお芝居というものにはなかなか出会えません。発想元のウディ・アレンの映画 「カイロの紫のバラ」 もDVDを購入して観ました。同じ報われぬ結末でありましてもKERA版の方には脚本家にも劇中にも愛があります。
ほぼ40年ぶりに観る 「奴婢訓」 ではよみがえるその当時の想いと交錯しながら異世界に浸り、「お気に召すまま」 の客席までも存分に用いた縦横無尽のお芝居ではあちこち忙しく首を回すのに時を忘れ、「神の子どもたちはみな踊る」では私自身が本を読み聞かせしてもらっている子供の如くなり (木場勝己さんのかえるくん、お似合いでした!)、「Q」 での野田秀樹さんの物語りをつくり出す魔法に酔いしれ、「世界は一人」 での松たか子さんの歌声に聴き惚れ、「死と乙女」 の宮沢りえさんのセリフに圧倒されました。
年末には初演時の評判に心惹かれて 「荒れ野」 を豊橋に観に出掛け、僅か一夜のなかにぎゅっと詰め込まれた6人の男女の感情の動きに感じ入りました。小林勝也さん、「お気に召すまま」 でも年齢性別を超えた不思議な役柄でとてもよかったのですが今回の “先生” も見事な不可思議感!

2019罪と罰2019キネマと恋人2019お気に召すまま2019神の子ども
2019nodamapQ.jpg2019世界は一人2019死と乙女2019荒れ野


文楽では一年を通し4月7月11月と三回に分けて行われた通し狂言 「仮名手本忠臣蔵」 がさすがに見応えあり存分に楽しめました。当初3つに切るの?通しにならないじゃないの・・・などと思いはしましたものの、ひとたび幕が開いて見入れば頭の中ではすぐに前回からの続きとなりました。夏の大阪市立大学上方文化講座で取り上げられた 「心中天網島」 がすぐあと11月の本公演で観られたのもうれしいことでした。
歌舞伎では京都南座で9月に上演された通し狂言 「東海道四谷怪談」 が役者の魅力と相まって楽しく観劇、通しとは言いつつ上演時間の制限ですよね、途中の段の割愛が少し残念。

201911月文楽2019通し狂言 東海道四谷怪談


コンサートでは
今年も5月の高槻ジャズストリート、二日間にわたって桑原あい・山中千尋・大西順子と存分にジャズピアノを浴びてきました。同じ5月ブラッド・メルドーがトリオで兵庫芸文大ホールに来てくれたのもうれしく、魔術にような指の繰り出す音楽に浸かり、その芸文大ホール12月での 「PAC meets OZONE」、小曽根 真さんと兵庫芸術文化センター管弦楽団によるピアノ協奏曲第9番 「ジュノム」 は、もう一体次には何が飛び出すやら!?というワクワクドキドキ感満載のモーツァルトでした。小曽根さんでは舞台 「組曲虐殺」 での生演奏も素晴らしかった。第一幕後半井上芳雄さんの哀切な独唱での伴奏はふるえるものがありました。
2年間4回をかけて行われた 「河村尚子 ベートーヴェン紀行」 「菊池洋子 モーツァルト音のパレット」 はめでたく皆勤賞、その締めくくりとして11月には下野竜也さんの指揮でそれぞれの協奏曲に加えモーツァルト:2台のピアノのための協奏曲というお楽しみもありました。

2019takatsukijazz.jpg2019ブラッド・メルドー in Japan 2019PAC meets OZONE20192人の協奏曲


読書では
何といっても川上未映子さんの 「夏物語」 の筆の力にひれ伏しましたのは記事にも書いた通り。
WOWOWオリジナルドラマが実に見ごたえありました 「坂の途中の家」、やはり原作に力があるとドラマも一味も二味も違うなあ、と刊行時に読みました角田光代さん原作を改めて再読しました。
小川洋子さん 「小箱」、とても静謐な小川ワールドを堪能。

2019natsumonogatari01.jpg2019natsumonogatari02.jpg2019坂の途中の家 角田光代2019小川洋子 小箱


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今年もすっかりと楽しませていただけました。
設計の仕事の方では味わいあるお住まいの改修などを進めさせていただき、明年にはその姿が立ち現れることを楽しみにしています。
5月には出江寛先生の米寿のお祝いをOBOG一同で催すことが出来、先生の衰えぬ意欲に触れる刺激に満ちた一夜でした。

まもなく2019年も暮れゆこうとしています。
本年もどうもありがとうございました。

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大阪箕面の2019年の日没
西の空は雲で覆われ日の入りを拝むことはかなわず
南の空には三日月が雲に見え隠れしつつ輝いていました
  1. 2019/12/31(火) 17:45:52

志摩観光ホテル

もうすっかり季節も変わってしまいました・・・が 先の記事 「群馬建築巡り と 高崎芸術劇場」 の続編を・・・。

心地よい感慨に浸って高崎を後にさせて頂きました・・・のちに夜行バスで到着しましたのは大阪ではなく名古屋。
名古屋から賢島に向かい、志摩観光ホテルに立ち寄ってまいりました。
村野藤吾氏設計のホテル、山崎豊子さんゆかりで映画 「華麗なる一族」 の収録地であったり、近年では伊勢志摩サミットの会場として一般の方にも名高いホテルです。
耐震診断によって解体の危機にも瀕したそうですが、全国からのファンの根強い声に押されて改修を経て存続、いたるところに村野色を残しています。
複数の棟で建つこのホテル、村野 藤吾氏がかつて手掛けた鈴鹿海軍工廠高等官集会所(1944)の柱や梁を移築して建設され1951年に開業しましたのが現在のザ クラブであり、この時村野さんは御年60歳。その後同じく村野さんの設計により新館が建てられましたのが78歳(1969)の時、これが現在のザ クラシックです。山崎豊子さんが定宿とした西館は解体されてすでになく、また2008年に開業したザ ベイスイートは大手ゼネコンの設計によるものです。

ザ クラブのエントランス1階から2階へ上がる緩やかな階段 そして 上がった2階の民家風の吹抜を有するホールにつり下がる照明器具!
ため息が出る美しさです。こんなことがさらりと (水面下では苦労に苦労を重ねられたのでしょうけれど・・・) 随所に見受けられるのがいかにも村野流、見とれるばかりです。
ホールの片隅の暖炉のコーナーも村野色の落ち着いた雰囲気、山小屋風の奥のレストランもほぼ原形が保たれており、夕食はこちらで頂きました。
外観は赤い瓦の切妻屋根に赤い板張りが印象的なクラブハウス風、暖炉煙突の白いエントランスを形作っています。
一方新館ザ クラシックの外観は階ごとに壁面から出窓状に跳ね出しを設けそこに庇が廻って深い陰影をつくり、大きな壁面でありながら細やかな印象です。客室窓廻りも真壁風に縁取って木造建築の趣きも漂わせ、数寄屋の繊細さが感じられます。何よりも外観で特徴的なのがその塔屋。高く持ち上げた機械室に幾重にも屋根・下屋庇が取り付き、一種不思議なかつ印象深いシルエットを構成しています。京都蹴上の都ホテルも同様の塔屋でした。内部は耐震改修によって結構手が加えられ、ロビーのメイン階段など残念ながら映画「華麗なる一族」の印象深いシーンも現状では見当たりません。けれどもかなり気を遣って村野色を保たれたそうで、ロビーの天井の粗い板張りや柱の意匠などは (一回り大きくなりはしたものの) オリジナルデザインに則して再現されています。華麗なメインダイニングはほぼオリジナルが残されているようです。カウンターや衝立なども丁寧に保たれていました。

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ザ ベイスイートから見たザ クラシック全景

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塔屋詳細

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妻壁面詳細

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ザ クラブ外観

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ザ クラブ 1階から2階への緩やかな階段

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ザ クラブ 2階ホール 民家風の木材あらわしのインテリア 吊り下げられた照明器具の見事さ!

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片隅の暖炉のコーナー

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ザ クラブのレストラン

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2階にはね出すベランダではかつての生演奏のためのものだそうです

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2種類の紙障子を交互に配するだけでも魔法にかけられたような空間効果

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ザ クラシック メインロビー かつて2階へのメイン階段があった辺り 天井の粗い板貼りはオリジナルデザインの復元

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ザ クラシック エレベーター裏に残された階段 照明を組み込んだ手摺

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ザ クラシック メインレストランの入り口

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その扉・ガラス壁面の足元 僅かなスリットを取って浮かせています

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メインレストラン内部 天井や柱の意匠にオリジナルデザインが残されています

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配膳を隠すスクリーンのこまやかな細工 カウンターなどもオリジナル家具が残され使い続けられています

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チェックアウトの後鳥羽に移動し、久しぶりに海の博物館 (設計:内藤廣 1992) へ。メインの玄関前に軽食堂棟が増築されて庇が渡り廊下状に用いられていますのが、ダイナミックな庇を損なって少々残念。開館から間もないころに訪れた際には複数棟の配置構成や、集成材の屋根架構ばかりに目を奪われましたが、改めて訪れ海沿いの環境の中で年月を経た姿に触れますと、本当にローコストで時に耐えるものを造られたのだと随所で感じさせられます。けれども切り詰めに切り詰めたうえでも最後まで残る この建物にとっての真に大切な 素の姿 が明瞭に際立っています。

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長く伸びる玄関庇の右手に増築された軽食堂棟

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賢島へ移動する前には夜行バスが予定よりも随分と早く名古屋駅に到着、まだ暗くて途方にくれます・・・が、幸い24時間営業のファミレスを見つけて時間を過ごし、そして朝の清明な空気の熱田神宮へ参拝。平日に名古屋に来ることも稀なので、せっかくの機会と開庁に合わせ名古屋市役所・愛知県庁へ、名古屋城脇に並び建つ外観には慣れ親しんでいるものの建築を見る眼で内部を見学したこともありませんでした。いずれも重文指定を受けた帝冠様式の建築です。
名古屋市庁舎 (設計:平林金吾 名古屋市建築課 1933) はエントランス中央階段も見応えあり、2階階段ホールから議場へ至る中央連絡通路は両側壁面のタイルが実に趣きあります。左右中庭の中を貫いているのですが、通路から外部にはね出した片持ち梁のようなものは何でしょう?パーゴラ状のものがあったのでしょうか?なお、設計の平林金吾はこれに先立つ1926年には大阪府庁舎も手掛けています。大阪城に面するこちらは棟も屋根もありませんが外観の構成はよく似ています。大阪府庁舎に日本趣味を加えるとこうなった・・・?
一方の愛知県庁舎 (設計:愛知県総務部営繕課 基本設計:西村好時 渡辺仁 1938) の内部の質素なこと!1階エントランス中心軸には壮麗な階段もなく単なる動線のみが延びています。この公理性・質実剛健さは愛知県民性を見事に体現?

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名古屋市庁舎 外観 瓦の塔屋と軒庇を外してタイルを白くすれば大阪府庁舎の趣き?

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1階正面の階段室

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2階中央部 議場への渡り廊下 壁面の渋いタイル

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階段室突き当たり 議場の壁面

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愛知県庁舎 外観 まさにお城をかぶったお姿
  1. 2019/12/08(日) 16:01:59

紅葉の日吉大社

昨日仕事で湖西に出掛けました帰路 比叡山坂本で途中下車
日吉大社に立ち寄ってまいりました


日吉馬場と呼ばれる参道も両側のもみじが真っ盛り

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山王鳥居と呼ばれる独特の形の鳥居 仏教と神道の習合を意味する合掌形なのだそうです

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周辺は穴太衆積みの石垣が趣きある景観をつくりだしています

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参道脇のお蕎麦屋さん 築130年の有形登録文化財

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その欄干透かし彫りの意匠 愉しげです

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近くにはバッタリ床几が残る民家も多く建ち並びます 窓の桟の意匠も美しい

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その玄関引き戸の引手 銀杏か雀か 遊び心に溢れなんとまあおしゃれで粋なこと
紙障子を繕う花びらもさりげなく

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  1. 2019/11/27(水) 12:02:36
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