建築の眼 JAZZの耳 ; tetsuyakimura_weblog

木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

陽水三昧

「私」 というものを形作ってきたものは実に様々ですが、少し以前に書きました1980年の演劇実験室天井桟敷 「奴婢訓」 の観劇、京都太秦撮影所での暗く狭く窮屈なあの2時間の衝撃は間違いなくその後の私を形作る大きなひとつでした。
そしてそれをさかのぼること数年前の愛知県体育館での体験もまた、私を形作る思い出深い一夜でした。

中学生になってその当時の多くの中学生がそうであったように深夜のラジオ番組に聴き入るようになりました。家に余っていました古い古い真空管ラジオのダイヤルを回して雑音混じりに聴いていたDJ番組、ある夜流れてきたその一曲に瞬時に心を奪われてしまったのです。

「傘がない」 

その時から井上陽水の虜となりました。
深夜のラジオ番組と共に当時のはやりの短波放送、短波が聴けるラジオがほしくて貯金もためていろいろと調べて買いました、正面中央にチューニングダイヤルが付いたソニーのラジオ。私の自慢話に触発されてか友達にもラジオの選定を頼まれて、彼に勧めましたのがナショナルのラジオ。 (正方形の本体いっぱいに大きな丸いスピーカー、確かクーガという名を覚えています。) それを購入した時、おまけでコンサートの招待券がついてきまして、特に興味のなかった彼はそのチケットを惜しげもなく私にくれました。
それがなんと 井上陽水のコンサートチケットでした。
なにしろ始めて出掛けるコンサートというシロモノ、一人電車に乗って名古屋まで出て目指すは愛知県体育館、不安と期待との入り混じった心持ちが思い出されます。
ずらりと並べられたパイプ椅子の、確か中央通路沿いの席であったでしょうか・・・。
薄暗い舞台、中央上部からの一本のスポットライト、そこに浮かび上がるもじゃもじゃの髪の塊・・・
そう、闇に浮かび上がるもじゃもじゃ頭ばかりの印象でした。
横に安田君というギターを一人たずさえて始まったコンサート。
ぼそぼそとやや暗めの、けれども時折妙な可笑しみが混じる語り。
何から何まで初体験尽くしの一夜は、まるで夢のように過ぎていきました。
あまり定かな記憶ではありませんがアルバム 「氷の世界」 がリリースされる直前の頃ではなかったでしょうか?そのアルバムにも収録予定と紹介されたようなおぼろげな記憶があります 「小春おばさん」 、会場で初めて聴いたその曲の熱唱をやけに印象深く覚えています。

僅かな小遣いをこつこつ貯め、商店街に一件ありましたレコード屋さんに出掛けてようやく一枚 また一枚 と買ったレコードは中学生の頃、ターンテーブルの上に載らない日は一日としてありませんでした。
恐らくは多くの人がそうであったように、レコードに添えられた歌詞カードの妙に震えたあの手書き文字を真似て書いたりもして・・・。

けれどもその後、アルバム 「二色の独楽」 がどうも自分の感覚に合わず、高校に入ってやはり多くの高校生がそうであったように洋楽に染まり、主にプログレッシブロックを聴く毎日となり、大学に進んでジャズの洗礼を受け、いつしか陽水からは離れて行ってしまいました。

先日9月23日にNHK-FMで放送されました 「今日は一日“井上陽水”三昧」
生では聴くことができませんでしたが、録音して少しづつ (何しろ9時間!) 聴き、あの頃の毎日 あの愛知県体育館の夜 を思い起こしていました。
そしてご登場の清水ミチコさんのエピソード。飛騨高山体育館でジャージ姿に体操坐りしての初陽水コンサート体験、しかもコンサートでの陽水さんのおしゃべりで 「名古屋から高山に移動云々・・・」 とか、「小春おばさん」 の印象とか、まさしく時代も様子もピッタリ!同じ年のツアーのコンサートでしたのでしょうか・・・とすればまさに前後しての陽水体験!
清水さんだけではなくリスナーの皆さんのメッセージの数々をお聞きしていましても、懐かしい当時のことがありありと思いだされ郷愁に浸るやら、私は転向しちゃったなあ、という挫折感?やら・・・。

もう45-7年前のことですのに、「断絶」 から 「氷の世界」 までの4枚のアルバムに収められた楽曲は、番組でイントロが流れた途端に自然と口をついて出てきます。
あの頃の陽水一色であった日々は間違いなく現在につながる私をつくりました。
いまでも5枚のLPと数枚のEPは大切に手元にあります。

kasaganai 20191010

手元に残る思い出の一枚
さすがレコード CDとは異なり年月を経ても現役です
けれども残念ながら手持ちのプレーヤーは45回転には非対応
ドーナツ盤は聴けません
  1. 2019/10/10(木) 13:55:28

2019 残暑お見舞い申し上げます

残暑お見舞い申し上げます

厳しい暑さに もうどこへ行くにも日傘が手放せなくなりました
陽が遮られれば一緒でしょ? と雨傘で代用しておりましたものの
「遮光 UVカット率99.9% UPF50+ 紫外線対策 遮熱効果・・・」
云々のうたい文句に惹きつけられて 日傘を購入
これまで女性の方々はこんなにスグレモノを使っていたのか・・・と今更ながらに遅れた男性の立場を省みる日々です
どうぞ皆さまも酷暑にお気をつけてお過ごしください

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***以下 残暑見舞いはがきの文面です*** 

残暑お見舞い申し上げます

梅雨寒の日々から突如として猛暑に襲われ身体が追いつかない今年の夏です
皆様いかがお過ごしでしょうか
私は七月の始めに埼玉県所沢の二つの霊園建築を訪れてまいりました
近年の狭山湖畔霊園 (中村拓志) はとても興味深い建築であり それにもまして半世紀近く前の所沢聖地霊園 (池原義郎) は敷地の捉え方から建築のごく細部に至るまでいずれを眼にしても驚きと発見に満ち心動かされるいっぽう 建築の果てしなさを思い知らされることでもありました
併せて訪れました東京森美術館の 「塩田千春展 魂がふるえる」 とともに まさしく心がふるえる旅となりました
まだしばらくは暑さも続きますが どうぞ皆様夏の疲れにご注意くださいませ

木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢

  1. 2019/08/09(金) 12:21:29

「令和」 の幕明け

新しい時代 「令和」 の幕が明けました
お慶び申し上げますとともに、これからの時代もよき時代であることをお祈り申し上げます

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朝 令和の初詣(?)に近くの神社にお参りしてまいりました

 * * *

新天皇陛下とは私は学年で申せば同学年、同じ時代の空気を吸い、これまで以上により身近に感じる方でいらっしゃいます。
その新天皇が今新たな地点に立たれました。
私もまた、いよいよこれから始めるのだ などと勝手ながら便乗して感じている次第です・・・
どうぞ皆さまヨロシクご配慮のほどを・・・

同学年ではありますが、生まれの年でいえば新天皇は昭和35年でいらっしゃいますのに対し、私は昭和34年の生まれ、従ってこの節目の年は個人的にも暦がひと巡りした還暦の年男という事になります。
私の干支  「猪」
建築用語の中には動物にちなむものが色々ありまして、例えば 「うま」 「さる」 あるいは 「ねこ」 などはポピュラーです。そしてもちろん 「猪」 も!
「猪の目」 って皆さまご存知でしょうか?
以前の記事でも取り上げたことがありましたが、ハート形のマークを日本の建築では古来より 「猪の目 (いのめ) 」 と称しています。言葉の通り猪の目をかたどったもので魔除けや福を招く護符の意味合いがあります。
牙むいてまっしぐら・・・の猪突猛進だけではなく、猪にはこのような愛らしい一面もございまして!

どうぞこの新しい 「令和」 の時代が 「猪の目」 に象徴される 愛 に満ち溢れた平和な時代でありますように 

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以前の記事で紹介していました 明治村にあります旧芝川邸の高欄の猪の目文様
高欄手摺幕板の部分にもその下の支え板にもくり抜き模様として現れています

ちなみに上記の令和初詣の神社の写真にもあちこち猪の目が隠れています
写真が小さいのでお分かりになりにくいとは思いますが、例えば鳥居注連縄の背後 神社本殿の庇の部分です
拡大するとこのようです

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  1. 2019/05/01(水) 10:35:30

もの想う朝

今朝の報道二件

一つは読売新聞朝刊の「編集手帳」にて、岐阜で発生した豚コレラの殺処分に岐阜大学獣医学科の学生の方々が係ったことを読みました。8時間3交代で4日間夜通しひたすら感染/発症に係らず豚一頭一頭に注射をする・・・肉体的にも、そして精神的にも大変な仕事です。
もう一つはピアニストのアリス=紗良・オットさんが多発性硬化症という難病と診断されたことを公表したという報道。つい先頃の池江璃花子選手の白血病続いて・・・です。昨秋の『ナイトフォール』コンサートの印象もまだ生々しく驚いてしまいました。

あるものは豚に生まれ、あるものはたまたま人間に生まれ、そして人間に生まれたなかで、ある人は水泳選手を目指し、ある人はピアニストを目指し、そしてまた、ある人は獣医師を目指す。
それぞれがそれぞれの生の中でかけがえのない時間を生き、その過程で困難に出くわす・・・

もちろん豚コレラの豚と、アリスさん池江さんを同列に語る不謹慎を犯すつもりもありませんが、選択肢のない豚を憐れみ、選択の余地のない獣医師や学生の方々のご苦労を思い、アリスさん池江さん そして同じように病と直面している方々には可能な限りの選択肢を駆使して頂くことを願うばかりです。

あれこれと もの想う朝です


読売新聞 編集手帳 2月18日 は下記です
(読者限定と思いますが現在は特別体験期間中で一般公開では?)
https://www.yomiuri.co.jp/note/hensyu-techo/20190218-OYT8T50000/


アリス=紗良・オットさんのメッセージは下記サイトです
https://www.alicesaraott.com/news/a-personal-message-from-alice/
  1. 2019/02/18(月) 10:52:47

2019年が明けました

新年あけましておめでとうございます


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2019年 大阪箕面は風もなく晴れ渡り 美しい日の出で明けました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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本年の年賀状です
  1. 2019/01/01(火) 11:33:48
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