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木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

2019 残暑お見舞い申し上げます

残暑お見舞い申し上げます

厳しい暑さに もうどこへ行くにも日傘が手放せなくなりました
陽が遮られれば一緒でしょ? と雨傘で代用しておりましたものの
「遮光 UVカット率99.9% UPF50+ 紫外線対策 遮熱効果・・・」
云々のうたい文句に惹きつけられて 日傘を購入
これまで女性の方々はこんなにスグレモノを使っていたのか・・・と今更ながらに遅れた男性の立場を省みる日々です
どうぞ皆さまも酷暑にお気をつけてお過ごしください

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***以下 残暑見舞いはがきの文面です*** 

残暑お見舞い申し上げます

梅雨寒の日々から突如として猛暑に襲われ身体が追いつかない今年の夏です
皆様いかがお過ごしでしょうか
私は七月の始めに埼玉県所沢の二つの霊園建築を訪れてまいりました
近年の狭山湖畔霊園 (中村拓志) はとても興味深い建築であり それにもまして半世紀近く前の所沢聖地霊園 (池原義郎) は敷地の捉え方から建築のごく細部に至るまでいずれを眼にしても驚きと発見に満ち心動かされるいっぽう 建築の果てしなさを思い知らされることでもありました
併せて訪れました東京森美術館の 「塩田千春展 魂がふるえる」 とともに まさしく心がふるえる旅となりました
まだしばらくは暑さも続きますが どうぞ皆様夏の疲れにご注意くださいませ

木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢

  1. 2019/08/09(金) 12:21:29

「令和」 の幕明け

新しい時代 「令和」 の幕が明けました
お慶び申し上げますとともに、これからの時代もよき時代であることをお祈り申し上げます

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朝 令和の初詣(?)に近くの神社にお参りしてまいりました

 * * *

新天皇陛下とは私は学年で申せば同学年、同じ時代の空気を吸い、これまで以上により身近に感じる方でいらっしゃいます。
その新天皇が今新たな地点に立たれました。
私もまた、いよいよこれから始めるのだ などと勝手ながら便乗して感じている次第です・・・
どうぞ皆さまヨロシクご配慮のほどを・・・

同学年ではありますが、生まれの年でいえば新天皇は昭和35年でいらっしゃいますのに対し、私は昭和34年の生まれ、従ってこの節目の年は個人的にも暦がひと巡りした還暦の年男という事になります。
私の干支  「猪」
建築用語の中には動物にちなむものが色々ありまして、例えば 「うま」 「さる」 あるいは 「ねこ」 などはポピュラーです。そしてもちろん 「猪」 も!
「猪の目」 って皆さまご存知でしょうか?
以前の記事でも取り上げたことがありましたが、ハート形のマークを日本の建築では古来より 「猪の目 (いのめ) 」 と称しています。言葉の通り猪の目をかたどったもので魔除けや福を招く護符の意味合いがあります。
牙むいてまっしぐら・・・の猪突猛進だけではなく、猪にはこのような愛らしい一面もございまして!

どうぞこの新しい 「令和」 の時代が 「猪の目」 に象徴される 愛 に満ち溢れた平和な時代でありますように 

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以前の記事で紹介していました 明治村にあります旧芝川邸の高欄の猪の目文様
高欄手摺幕板の部分にもその下の支え板にもくり抜き模様として現れています

ちなみに上記の令和初詣の神社の写真にもあちこち猪の目が隠れています
写真が小さいのでお分かりになりにくいとは思いますが、例えば鳥居注連縄の背後 神社本殿の庇の部分です
拡大するとこのようです

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  1. 2019/05/01(水) 10:35:30

もの想う朝

今朝の報道二件

一つは読売新聞朝刊の「編集手帳」にて、岐阜で発生した豚コレラの殺処分に岐阜大学獣医学科の学生の方々が係ったことを読みました。8時間3交代で4日間夜通しひたすら感染/発症に係らず豚一頭一頭に注射をする・・・肉体的にも、そして精神的にも大変な仕事です。
もう一つはピアニストのアリス=紗良・オットさんが多発性硬化症という難病と診断されたことを公表したという報道。つい先頃の池江璃花子選手の白血病続いて・・・です。昨秋の『ナイトフォール』コンサートの印象もまだ生々しく驚いてしまいました。

あるものは豚に生まれ、あるものはたまたま人間に生まれ、そして人間に生まれたなかで、ある人は水泳選手を目指し、ある人はピアニストを目指し、そしてまた、ある人は獣医師を目指す。
それぞれがそれぞれの生の中でかけがえのない時間を生き、その過程で困難に出くわす・・・

もちろん豚コレラの豚と、アリスさん池江さんを同列に語る不謹慎を犯すつもりもありませんが、選択肢のない豚を憐れみ、選択の余地のない獣医師や学生の方々のご苦労を思い、アリスさん池江さん そして同じように病と直面している方々には可能な限りの選択肢を駆使して頂くことを願うばかりです。

あれこれと もの想う朝です


読売新聞 編集手帳 2月18日 は下記です
(読者限定と思いますが現在は特別体験期間中で一般公開では?)
https://www.yomiuri.co.jp/note/hensyu-techo/20190218-OYT8T50000/


アリス=紗良・オットさんのメッセージは下記サイトです
https://www.alicesaraott.com/news/a-personal-message-from-alice/
  1. 2019/02/18(月) 10:52:47

2019年が明けました

新年あけましておめでとうございます


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2019年 大阪箕面は風もなく晴れ渡り 美しい日の出で明けました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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本年の年賀状です
  1. 2019/01/01(火) 11:33:48

2018年を振り返って

2018年 平成30年もまもなく暮れゆこうとしています。

今年を振り返れば何といっても
6月18日に襲った大阪府北部地震 と 9月4日の台風21号 です。
6月18日 ちょうど家を出た辺りで、当初何が起こっているのかよくわかりませんでした。地震対策を怠って書架がわりに木箱を天井まで積み上げた事務所には、一歩足を踏み入れた瞬間その惨状に絶句!鉢植えの水と土に多くの書籍が浸かってひどい状態でした・・・。
そして9月4日の台風、これまでに経験したことのない激しい風雨に事務所のビルは大きく揺れ、先の地震で傾いたスチール書架はギシギシ音を立てて前後に大きく揺れまくり、気持ちのいいものではありませんでした。
その他 酷暑の夏や西日本を襲った水害など、自然の脅威にさらされたこの一年でした。
府内でも補修の工事がまだまだ行き渡らず、ビニールシートのまま年の瀬を迎えられている家屋も多く残ります。
被災された方々には改めてお見舞い申し上げますとともに、来たる年が平穏な一年であることを切に願います。

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私にとってはこの夏に二棟の住まいの竣工を迎えることが出来ました。いずれの住まいも2年以上を費やしたものでした。設計とすれば工事中も含め随分時間と手間とを要したものですが、これらの住まいがこれから刻んでいく年月からすればほんの僅かな時間です。
夏に訪れました糸魚川の谷村美術館、伊豆の江之浦測候所、琵琶湖畔の佐川美術館樂吉左衞門館などはいずれの建築にもとても私の思いも及ばぬほどに構想から実現に至るまでの果てしない道程がうかがわれました。その時間とエネルギーが如実に建築に現れています。
改めて建築の奥深さと素晴らしさを、果てしない道のりを知らされる思いでした。

keihanna01.jpgけいはんなの住まい
 minoh-o 01箕面 五人と二匹の住まい

201808tanimuramuseum (5-2) 谷村美術館
201807enoura (4-2)江之浦測候所
201809sagawamuseum (5-2)
佐川美術館
樂吉左衞門館


ありがたいことに今年も実に多くの舞台に接することが出来ました。
その中でも2月の「アンチゴーヌ」は深く深く印象に残ります。今年はもうこれに尽きます。生身の役者の圧倒的な力に我を忘れました。
つい先日12月27日の「スカイライト」、再び蒼井優さんの舞台で私は今年を締めることができました。
素晴らしい時間・空気感をありがとうございました。
その他にも本当にたくさんの舞台を見ることが出来ました。
印象深いのは
現代能楽集「竹取」 これは先にも記事で書いた通りです。
ふたり芝居「悪人」「家族熱」 そぎ落とし極限まで純化した舞台、要素を絞り込んだ構成が素晴らしく、単純化された美術もお見事!
構成と言う意味では「豊饒の海」にもとても惹かれました。四部からなるあの小説をどのように一本のお芝居にまとめ上げるのか、興味津々でしたが、異なる時間と場所を自在に行き来するお芝居ならでは・・・。能舞台にも通じるような簡明で象徴的なセットも印象的でした。
野田地図「贋作 桜の森の満開の下」、前川知大「ゲゲゲの先生へ」「図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの」、松尾スズキ「ニンゲン御破算」、ハイバイ「ヒッキー・ソトニデテミターノ」「て」、長塚圭史「かがみのかなたはたなかのなかに」「MAKOTO」などなど・・・ まだまだつぎつぎ思い出されます。

昨年の「夏祭浪花鑑」に続いて今年は「女殺油地獄」で歌舞伎と文楽との双方を見比べることができましたのも、うれしいことでした。
実際に油(に見せた液体)にまみれて滑る、刺す、生身の人間の業が迫る歌舞伎と、現実をはるかに超えて演劇的想像力に激しく訴えかける人形浄瑠璃。
こうして同じ演目を見比べることができるというのもとても贅沢でシアワセなことです。
さて来年は・・・?期待してしまいます。

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nisesaku sakura 2018-02 gegege2018.jpg201807gohasan.jpg201807kabuki.jpg201811bunraku-2.jpg


コンサートでは大西順子さんにとどめを刺す?
5月の高槻ジャスストリートの、野外とホールそれぞれのカルテット演奏が素晴らしく、そして、この年末12月12日には大阪フェニックスホールでのトリオ演奏もまた、心躍る演奏でした。昔々デビューした頃の一連のアルバムにも惚れ込んではいたのですけれど、その一方ではやや強引さなども感じてしまっていました。途中のブランクがあって、迷いなどもあって・・・・。ですけれどもやっぱり凄い、もの凄い。いわゆる小奇麗な とか、スウィングしてますーっ とかいう演奏とは次元の異なる “魂” を感じてしまいます。
NHKテレビで見た「SWITCHインタビュー 達人達 蝶野正洋×大西順子」もよかった!プロレス技なんかも出ちゃったりして・・・

そして マリア・ジョアン・ピレシュ です。
引退公演の日本ツアー 大阪は4月14日のザ・シンフォニーホールでした。オール・ベートーヴェンのピアノソナタ3曲 第二部第32番の、あのスウィング するかのようなフレーズの ピレシュの歓喜の表情が忘れられません。でも、いくら耳に刻もうとも音は消え去っていってしまいます・・・。もう生の演奏には二度と触れることができないのでしょうか?
9月のアリス=紗良・オットのリサイタルも心に残ります。「ナイトフォール」というコンセプトを演奏に先立って説明を加えて始まったコンサート、LEDの照明効果も際立つ一夜でした。
同じ一週間のうちにゲルバーとアファナシエフ、両巨匠のベートーヴェンプログラムを聴くことができたのも今年10月、そしてまだつい先日のヒラリー・ハーンは格の違いを感じさせる素晴らしい演奏でした。
何の予備知識もなくたまたま出掛けた11月の 「The Glamorous Duo Recital 池村佳子Cello 土屋友成 Piano」 は、予期せぬと言うととても失礼なのですがたいそう素晴らしく、先日クリスマスに宝塚の自立支援施設で催されたサロンコンサートにもお邪魔して再度聴き入ってまいりました。
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観に行きましたお芝居の戯曲・原作は割と読むようにしています。
「アンチゴーヌ」について読み比べましたのは以前に書いた通り
野田秀樹「贋作 桜の森の満開の下」の脚本と坂口安吾の元ネタ小説の何篇か
「お蘭、登場」に対して江戸川乱歩の元ネタ短編の数々
井上ひさしさんの「ムサシ」「シャンハイムーン」「夢の裂け目」
マームとジプシーの「みえるわ」に対して 川上未映子さんの「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」「水瓶」
向田邦子「家族熱」、サルトル「出口なし」、三島由紀夫「豊饒の海」からはまだ第一部「春の海」のみ・・・
「1984」のオーウェル原作は途中であえなく撃沈・・・。お芝居もしんどかったのですけれど、本はとても無理・・・、でもなんとか「まんがで読破 1984年」だけは読みました。
それらを離れては

星野智幸「焔」
松浦寿輝「名誉と恍惚」
東山彰良「僕が殺した人と僕を殺した人」
などが印象に残っています。
恩田睦さん「蜜蜂と遠雷」は本を読んだ後に、作中曲を全て、登場人物毎に演奏順に収録した8枚組CD「蜜蜂と遠雷 ピアノ全集」まで楽しんでしまいました。
三浦しをんさん「ののはな通信」は最初のうちは どうしょう・・・?とこのまま読み進めることが気恥ずかしいような感覚でしたが、途中からは引き込まれました。
宮本輝さんの「流転の海」は無事完結を迎えられて良かった。多くの人が完結に接することができて安堵したことでしょう。もう初期の頃の部は記憶もあいまいですので、改めて最初から読み返してみたい。

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こうして振り返ってみますと、今年もお陰さまで好き放題の一年でした。ありがたいことです。
年が明ければ2019年、1959年生まれのわたしは干支がひと巡りとなります。
今年一年を振り返って ではなく これまでの60年を振り返って という時なのでしょう・・・。

まもなく2018年も暮れゆきます。
本年もありがとうございました。

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箕面の今年最後の日の入りは、丁度その時刻に西の空を覆う厚い雲に眼にすることはかないませんでした。
ようやく雲が流れた頃の、既にたっぷりと陽が落ちた箕面の年の暮れです。

  1. 2018/12/31(月) 19:47:58
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