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木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

立教学院聖パウロ礼拝堂~自由学園明日館~猪股邸

先頃所用で実に久しぶりに東京に行くことがあり、せっかくの機会なのでと欲張って朝の始発でいざ出発!

まずは新座へ向かい、これまた久しぶりのレーモンド
立教学院聖パウロ礼拝堂へ

建設当時の記録を読みますと、工事費による規模縮小からのスケールの問題やら構造での重たいリブヴォールトや厚いシェルの事柄など・・・けれど実際の空間はレーモンドらしい正直な空間で気持ちの良いものでした。鉄骨が入って重い印象となったリブとは言え、妙に小細工せずにそのまま現す、というのが気持ちがいい。レーモンドがこだわったという配置計画=正門からの軸線もとてもよくうなずけるものでした。何よりも気持のよかったのは側面中庭を囲む五角形の廻廊、中央には鐘楼がそびえていますが中庭はあくまで落ち着いた心地よいスケールの空間です。
礼拝堂内のステンドグラス、完全な対称は悪魔が入り込むとの言い伝えにより、わずかに一カ所だけ崩してあるのだそうですが、さてどこだろう???
残念なのは入り口上部のパイプオルガン、楽器自体の形やら色やらはともかくとして、それを備え付けるバルコニーがなんとも違和感があります。レーモンドの精神とは対極にあるデザイン、もちろん建設当初にはなかったものでした。

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都心に戻った池袋では、自由学園明日館へ。

シンメトリーなのですけれど、いかめしさ・硬さを全く感じることがないのは素材とスケール、そして細やかなデザイン処理によるものなのでしょう。それにしても椅子テーブルのサイズと言ったら!!!私は幼稚園児用と思ったら、なんと女子中高生用とお聞きして、ビックリ!
ここで気持ちが良かったのは、ライト+遠藤新の建物もさることながら園庭と前面の道路とを隔てる樹木、大きく枝を伸ばして豊かな緑陰をつくり、まさに学びの空間をつくっている、という印象でした。

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要件のある成城学園前へ移動し、時間までの僅かな時間に猪股邸へ。

吉田五十八作品集でも印象深かった邸宅、この門屋は本当に繰り返し本で眺めましたが、そんな既視感をふっとばして実物はやはり素晴らしい。そして門をくぐった後の玄関までのアプローチの、狭いながらも変化と情緒に富んだ空間!引込の玄関扉が、片引き一枚というのがまたいいですね。
主たる庭園と随所に設けられた中庭と、いずれの部屋も庭と共にある建築です。五十八さんの例の行き過ぎた(と私は感じてしまう)小細工の数々がこの建築にはなく、すがすがしい細やかなディテールと巧みな空間構成にあふれています。
座敷の意匠はちょっと???と感じましたが・・・
それにしても、このような建築・庭園を維持管理し一般公開(無料!)しているって、世田谷区はさすが・・・

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   * * *

この東京行きの三日前、たまたま用あって訪れましたのが、村野さんの宝塚教会とライトの山邑邸

宝塚教会、何といっても暗さが魅力、その一方うねる天井の塗装が艶があり過ぎてちょっと残念、長年の塗り重ねでこうなったのでしょうか?さらに残念なのは告解室の扉、意匠・素材共に異質でした・・・
とは言え内部も外部も建築として魅力にあふれ、教会の方も村野さんの設計ということや、この建築自体をとても誇りに思ってずっと守り続けていくお気持であることが、ひしひしと伝わってきました。
ところで、内部もシンメトリーに見えて左右の壁や開口の取り方が微妙に異なるのですが、右側の壁、柱型上の凸を表しているのはなぜ?

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芦屋の山邑邸、久しぶりです。
地形に沿って巧みなフロア構成なのですが、床もさることながら、どうしてこうも天井が豊かなのでしょう?高さと言い意匠と言い、変幻自在!いったいどのようにして構想しているのでしょう???

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  1. 2015/06/06(土) 21:15:30
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