建築の眼 JAZZの耳 ; tetsuyakimura_weblog

木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

見学 見学 見学!

今週も忙しかった!
いえ、そちらの方面で・・・

火曜日 泉布観見学へ
記憶にないほど久しぶり
バルコニーの柱は瀬戸内産の巨大な御影石からの削り出しとのこと、何という贅沢な!
その一方でタイルが当時はまだ貴重品ということでエントランスの床にわずかに張ってあるのみ
二階の床などは板張りの床にタイル模様の絵という涙ぐましさ・・・
現在の感覚からは察することのできない材料感覚

折角泉布観に来たので向かいの造幣局も見学
正面の堂々とした建物、所々アールデコ風の意匠もあったりして興味深い
いやもっと興味深いのは造幣博物館展示の金塊だったりして・・・
それにしても模型や絵図で見る創建当時の造幣局敷地と建物群の巨大さ!
まさに一つの街
大川越しの眺めはさぞかし壮観だったことでしょうね

20161101senpukan.jpg泉布観
造幣寮の応接所として建設(明治4年)
設計 ウォートルス
当初は軒の出のないデザインであったそうです
日射には関係のない北側にも
ベランダが廻っているのが特徴とのこと
20161101koukaido.jpg横に建つ旧桜宮公会堂
旧造幣寮の金銀貨幣鋳造場正面玄関部分を移築したもの
設計は泉布観と同じくウォートルス
明治4年
201161101zouheikyoku001.jpg造幣局内にある旧正門
201161101zouheikyoku002.jpg現在の造幣局
久しく桜の通り抜けに出掛けていませんが、
以前は古い建物をもっと目にしたような記憶が・・・?


金曜日 大阪市立大学本館と旧図書館の見学ツアーへ
本館で時計台搭屋まで上がらせてもらって、その内部はなにもなく実にそっけないということを、実際に見せていただけました!
それにしても時計台を持つ軸線上シンメトリーの構成ながら、実にデザインもそっけないと言いますか実直と言いますかまあ合理的精神に則った建物で好感が持てます
そして旧図書館の書庫棟 これがお見事
ごちらも合理的精神に貫かれ非常に天井の低い閉架書庫棟は、書架とその間を通る司書の人とのサイズで決められた書架の間隔と高さがそのまま階高と構造スパンに反映され、その過密とも思われる柱がそのまま外観に直截的に表現され、その柱サイズも見事に荷重を表現して先細りで
そしてそれと直行方向の壁面のまた見事なそっけなさ 平滑平板
合理主義の塊で設計されているあたりが商都大阪の商科大学ならではなのでしょうか
いいです!
市大の先生の解説もとても丁寧でわかりやすくいい見学会でした

20161104osakaichidai001.jpg
20161104osakaichidai002.jpg市大本館
大阪市土木部建設課(伊藤正文)
1934
20161104osakaichidai004.jpg本館正面階段室
20161104osakaichidai003.jpg本館側面
強調された水平線
でも竪樋では正直に途切れているのね!
このあたりが意匠を優先しない合理性?
一方窓台の水平線はコーナー部で留めて小口表し
でも円形のバルコニーの手すりにはつなげず、壁面をすっきりと見せています
図書館も含め随所に円形の庇やバルコニーが見られ、
当時のデザインの流行り・好みを感じます
20161104osakaichidai006.jpg旧図書館附属の閉架書庫側面
外観に表されたひたすらの柱
書架の間隔をそのままに反映した柱割り
20161104osakaichidai007.jpg矩手の壁面は見事なまでのそっけなさ
この面が通りに面しています
柱は上部に行くほど断面サイズが縮小
頂部も素直に屋上スラブの位置で
斜めに切って止められ
(もちろん意匠ではなく合理的に
雨仕舞でと思いますが)、
さながらゴシック建築のバットレスのよう
20161104osakaichidai008.jpgでも反対側の面はちょっと意匠を
添えてありました
階段室には窓も要ります



土曜日 奈良興福寺中金堂の再建工事現場見学へ
たまたま縁あって現場見学会に混ぜて頂き、ほとんど完成した状態の建物を工事用建屋に上がって裳階や大屋根も間近に見学できました
設計監理にかかわった方の丁寧な解説付きでしたが、この方のお仕事がこの中金堂もはじめ名だたる文化財ばかり、重文列挙
お話を伺っても、その視野が数百年から千年スパンで・・・次元の違いを感じるばかり
建築をはこうあるべきものなのだなぁ と 目先にばかり囚われる日々を反省 まいりました
時間の単位も数百年から千年単位ならば、かかる建設コストも桁外れでちょっと想像の範囲を超え・・・
世俗の世界とはかけ離れた そういう世界もあるのですね・・・
丁寧な解説を頂いた方は構造家の方なのですが文化財関連のお仕事にずっと関わっていらっしゃるからなのでしょうか、歴史とか様式とかもうすごく博学で建築史の講義を聴いているかのようでもありました

20161105kouhukuji (2)
20161105kouhukuji (1)こんな距離角度で見ることが出来るのは
工事現場ならでは



そして本日日曜日 竹中大工道具館へ
ちょうど一年ぶりに訪れて、改めて展示の数々を興味深く見学
この日は特別展示の「土のしらべ」展 最終日でした
左官仕上の実物の多彩な表情に見とれ、展示された鏝の圧倒的な数・種類に恐れおののき・・・
最終日だからか(昨年秋の特別展示も最終日だからか中村好文さんがいらっしゃいましたが)久住さんもいらっしゃって、折角なので鏝の多さなどについてお尋ねすると、実に親しく丁寧にいろいろとお話しくださいました
いつか久住左官さんのお力をお借りできるに足るような設計ができますよう、精進と挑戦を重ねてまいりたいものです

20161106takenaka sakan



 * * *

とりもなおさず、慌ただしくの走り書き
写真は改めて後で添えるとしまして、ともかくアップロード

それにしても寒くなりました
明日からの週は半ばにはかなり気温も下がる予報 一気に木々も色づきますか・・・
箕面の山も美しく染まる季節が到来します
  1. 2016/11/06(日) 20:43:25
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