建築の眼 JAZZの耳 ; tetsuyakimura_weblog

木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

猪名川霊園

八月最後の朝
大阪箕面は晴れ渡り 真っ青な空に幾分ひんやりとした空気
気持ちの良い朝でラジオ体操も最終日を迎えました



先週ですが 猪名川霊園を見学してまいりました
私がいずれ納まるための下見・・・ではなく
先頃完成した デイヴィッド・チッパーフィールド設計の建築を見るためです、もちろん

素晴らしかった

非常にシンプルでマッシブ
小手先の細工などを一切排した原初の すがた かたち

けれどもその 建築にまとわりついてしまう様々なものを消し去るための それはもう緻密なディテールとそれを支える施工 そして維持管理

薄紅色のコンクリートの躯体はブラスト処理で圧倒的な量塊感でありながらやさしく柔らかく
同色で研ぎだした床ともとても馴染んでいます
開口も景色を切り取る窓ははっきりと黒い額縁をみせ、光のための開口はその存在を消し去って光だけがあらわれています
その光の質もとことん追い求め 光を反射し受け止める壁の仕上にはチッパーフィールド氏も非常に悩まれたのだそうです

静謐 敬虔

ただそのようなものだけが漂う空間

そして全体のシルエットと構成
霊園のひろがる山の 段状の石積みの斜面 その大きな景観に片流れの建物のスカイラインも溶け込み
霊園の中心軸をそのまま活かして建物も左右に分離され その軸上に置かれた中庭を諸室が囲むことで
建物がとても親密な雰囲気を醸し出しています

見学に際しては 霊園の方がとても丁寧に時間をかけて
チッパーフィールド氏の設計の大きな考え方から細部 設計や現場監理の様子
施工者の現場でのご苦労と工夫
そして 設計コンセプトの尊重と来園者への細やかな気遣いを重ねた 細やかな維持管理
などをお話しくださいました

周りの環境・建築と共に そのような応対にも心洗われたひとときでした



それにしても私の事務所からはとても近い すぐそこじゃない! と 急きょ出掛けたのですが
それでも延々の道のり
チッパーフィールドさんやそのスタッフの方ははるばるロンドンから何度も何度も足を運ばれたそうで
いやはや
優れた建築をつくることには近道はありませんね

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正面外観

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霊園から見下ろす全景

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チッパーフィールド氏が現場でいつも立ってチェックしていたという景観

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エントランス 水盤の水は毎日入れ替え 中を洗うのだそうです

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中庭より受付事務所側を見る

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礼拝堂のエントランス

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礼拝堂 正面祭壇 自然光のみ

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礼拝堂の中庭

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礼拝堂のエントランス見返し

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ビジターラウンジ

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メモリアルルーム 空調は壁-天井の僅かなスリットから 仕切りは和紙

 * * *

猪名川霊園の建築についての公式サイトはこちら
http://www.boenf.org/architecture/inagawa.html

 * * *

ところで

その美しい屋根のシルエット
雨仕舞の立ち上がりなども 樋や排水の設えなどもわからなかったのですが
一体どのように納まっているのでしょう?
ごく一部中庭などに面したフラットルーフのところには金属製の排水口がありましたが・・・
垂れ流せば 紅色の壁が大変なことにもなりますし
園の方にお尋ねしてもわかりませんでした

雨の日にも訪れて謎を解明しなければいけません・・・
  1. 2017/08/31(木) 14:30:31
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