建築の眼 JAZZの耳 ; tetsuyakimura_weblog

木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

名古屋 丸栄百貨店

先頃 名古屋の丸栄百貨店を見学してまいりました
尾張で育った私は 子供の頃に名古屋へ連れていってもらうことは特別な出来事
そしてその行先は栄の オリエンタル中村(突然思い出された懐かしい名前!) や 丸栄 などのデパート
子供心には デパート は 夢の場所でした

もちろん建築として眺めたことなどあろうはずがなく 丸栄 は 壁面になにやらタイルで絵が描いてある というのみの記憶
建築の仕事に就くようになってその建築が 村野藤吾の設計で学会賞受賞作と知ってからも 特段の意識もなく わざわざ見に出掛けたこともありませんでした
その丸栄が 今年の6月で閉店し建物取壊し と知って かつて 心斎橋そごう を そこにあるのが当たり前すぎて建築として見に行くこともないままに取り壊されてしまったという轍を踏まぬように と出掛けた次第です

建物は三度にわたる増築を重ねて今の姿になっているそうです
子供の頃の印象に残る西面のタイル画の壁面は第二次の増築
大通りに面した格子状の外観はそれに先立つ第一次の増築の際のものだそうです
この 垂直と水平の格子の繰り返しと それを一部切り取って設けられた所々のアクセント
そして東面には格子の中に配された大きな壁面
そうした扱いがいかにも村野さんらしくて いいなぁ と見惚れます
格子の壁面と タイル画の壁面との交差部は 隅が切られた処理がなされており 見上げてみますと その三角形の天井部分には色とりどりの彩色
「丸栄百貨店」の突き出し看板の上部には これまた村野さんらしい 何ともユーモラスな印象のモニュメント

さすがに月日の流れを感じさせられる劣化も多く見られましたが 建築としての香りはぷんぷんと匂いたつ 滋味に満ちた建物でした

20180204maruei 001外観
20180204maruei 002北西角の隅切り部分のルーバー
20180204maruei 003西側壁面のタイル画
20180204maruei 004北西角の見上げ
20180204maruei 005東壁面の格子状の構成と
それを破る壁面
20180204maruei 006格子の切り取りの妙技
20180204maruei 007袖看板上のユーモラスな造形
格子切り取り部にはコーン状の
モニュメント
20180204maruei 008エレベーター扉の
東郷青児の画は各階共通
20180204maruei 009屋上への出入り口に残されていた扉の引手
まさに村野さんのマジック!
20180204maruei 010搬入口脇の業務用の門扉
20180204maruei 011子供の頃の夢の場所
屋上 は人一人いない
さびれたところと
なってしまっていました
20180204maruei 012子供心に不思議な想いで
眺めた鬼門の社は健在
20180204maruei 0131階エントランス壁面に
表示された学会賞の銘


  1. 2018/02/16(金) 06:15:09
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