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木村哲矢建築計画事務所 木村哲矢 が  見たこと 聴いたこと 感じたこと

知多半島半田 町巡り

先の記事の 名古屋丸栄百貨店 を訪れた翌日 知多半島の半田を巡りました
同じ愛知県尾張地方でも 一宮市で育ちました私には半田は縁遠いところ 子供の頃には知多半島へ海水浴に連れて行ってもらいはしましたが 半田には行ったことがなく 今回が初めてでした
運河と蔵 そして 古い民家の町並み
魅力的な街の風情にびっくり 知らなかった!

名鉄知多半田駅で降り立って東へ
JR半田駅を越しますとそこには現存最古の跨線橋 そして駅前には最後に豊武線を走ったというSLの保存展示

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明治43年に設置された全国で最も古い跨線橋

そこを抜けると蔵と運河の風情ある町並みに その運河に面して 「ミツカンミュージアム」 は建っていました
エントランスの古い商家に蔵をイメージした現代建築が接続する中庭を囲む回遊式の企業ミュージアム
何も知らずに訪れたのですが とても充実した体験型ミュージアムで 存分に楽しめました
建築も素晴らしい
外観は蔵を模しながらも現代的な洗練されたデザインで 内部も今のご時世では段差の多い動線にはいろいろとご意見もあろうとは思いますが 起伏にとんだ回遊式の展示動線は変化に満ちて来場者を飽きさせず 運河を見せるピクチャーウインドウや 床・天井の仕上げなど 展示内容とともに建築も見応え充分
後で調べてみますと企画・展示計画が電通で 建築設計はNTTファシリティーズ そしてアートディレクションが佐藤 卓氏 なるほど!

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運河に面した蔵造りの建物群の風情
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ミュージアムのメインエントランス
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ミツカンミュージアムを後にして 「小栗家住宅」の前を通り 「半六庭園」へ
そこに建つ「旧中埜半六邸」で昼食 明治22年築の屋敷と庭園とが整備されて一般公開されています
この 中埜家 というのがミツカンを始め半田を支えたのですね
残念ながら 小栗家住宅は内部を見ることが出来ず 旧中埜半六邸・庭園にはあまり感じることなく 食後隣の 中埜酒造「国盛 酒の文化館」へ
昔の蔵を活用した 酒つくりの展示館
一通りのガイドツアーのあと 徒歩ツアーの私には利き酒体験!
アルコール度の高い生酒から ノンアルコールの甘酒まで 6-7種類のお酒を味わって もう私はすっかりこのミュージアムが好きになってしまいました・・・

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運河に面した町並み
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小栗家住宅
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旧中埜半六邸の座敷床の間 厳格!
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国盛 酒の文化館

よい気分で 酒の文化館を後にして 「旧中埜家住宅」へ
中埜半六の別邸です 旧中埜半六邸が和風住宅であるのに対し こちらは明治時代末期の洋風建築で 国の重要文化財指定を受けています
設計は鈴木禎次 明治44年の建物です
ハーフティンバーの壁面・変化に富んだ屋根など、多彩な外観の中央部 バルコニーの意匠が繊細でとても可愛らしい
残念ながら内部は非公開でしたが 窓からのぞき込んでみますと 順路を示す標識やスリッパなどが見られ 公開の折もあるのでしょうね

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旧中埜家住宅 外観
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バルコニーの意匠

ここに至る途中に街区ひと区画まるまるのとてつもないお屋敷?があって いったい何?と地図検索をかけてみますと「中埜産業」とあります
とことん 中埜 の町なのだ・・・

そして最後に 現在は「半田赤レンガ建物」という名称で一般公開されています 木骨煉瓦造の建物へ
中野から中埜に名を変え 丸勘からミツカンへと変えた四代中埜又左衛門がビール業界に打って出たカブトビールの製造工場
日本では珍しい これでもかっ!というくらいに斜材がいっぱい入った木骨煉瓦造の建築です
明治31年竣工の建物で 設計は妻木頼黄
工場内を低温で保つための建築的工夫などがわかりやすく展示説明され また 外壁になまなましく残る第二次大戦中の機銃掃射の跡など 歴史の証人としての顔も持ち合わせた建物です
もちろん ビールの製造や その多彩多才な広告宣伝・販売戦略などについての展示も充実 楽しめます
かつて 修復整備前の写真を見た時には こんな建物が愛知にあるのか! とびっくりしたことがありました
商業施設としてよみがえった本日の姿には いささか電飾が賑やかすぎて違和感も覚えましたが よくぞ残されたものです
耐震改修も含めた修復設計・工事の概略も展示されていまして 興味深く拝見しました

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半田赤レンガ建物 外観
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外壁に残る機銃掃射の跡 この建物は戦時中 中島飛行機製作所の施設であったそうです
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レンガ5層の断熱壁 直近のプレートがその解説ではなく 傘立ての案内なのはご愛敬

半田赤レンガ建物内の壁に額に収められて飾られていた この建物の写真
建物に正対してすみずみまでくっきりきっちりと写し取られた建築写真です
「寄贈 村井**」と表示されていました
そう 半田は 建築写真家 村井修先生のご出身地でもあります
先生の「記憶の風景」というモノクロの写真集には 昭和30年代の半田の風景も多数写し込まれています
同じ愛知県尾張地方出身ということで 先生にはいろいろと気にかけていただきました
もったいなくも ありがたいことでした
「記憶の風景」が出版された際には そのあとがきについて「ちょっと泣かせる文章でしょ」と気恥ずかしそうに語っていらっしゃった先生の口調を思い起こします
この写真は紛れもなく先生の趣きを伝えています
が 半田赤レンガ建物が保存修復成されたのが 平成26-27年にかけて
先生がお亡くなりになったのが 平成28年
写真には 「撮影 村井修」のクレジットの記載はありませんでしたが
先生がお撮りになったものか スタジオの方のものなのか・・・

一日かけての半田巡りでしたが パンフレットを見ますとまだまだ見どころがいっぱい
また改めて訪れたいと思います
本日の成果は以下の通り!

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左から
復刻大正カブトビール
復刻明治カブトビール 
国盛 酒の文化館 のラベルの 冬季限定 本醸造 しぼりたて生の原酒
ミツカン 純酒粕酢 三ツ判山吹

  1. 2018/02/24(土) 21:33:23
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